アネロスさえ入れれば、あとは脱力しているだけで簡単にメスイキ。と言い切りたいところですが、正直に言うと、それだけでは、ドライオーガズムに到達できない人のほうが多いはずです。
「脱力が大事」というところまでは、いろいろなところで目にしていると思いますが、では実際に脱力してみても「本当にこれであってるのか?」と疑問に思う初心者の人も多いのではないでしょうか?
この記事では、アネロスでドライオーガズムを誘発させる脱力の基本のやり方「PC筋だけを締めて肛門は緩める」という感覚の作り方と、それができているかを自分で確かめる方法をまとめます。
結論を先に言ってしまうと、やり方は「最初から片方だけを動かそうとしない」、これに尽きます。
そもそもPC筋って何?って頭に「?」が浮かんだ人は、先にこちらのPC筋についての説明ページを見てください。

そして、なぜこの「PC筋だけを締めて肛門は緩める」動作が必要なのか?がわからない人は、先にこちらのドライオーがズム達成へ導くメカニズムを見ておいてください。



この動作ができるようになると、アネロスのセッション中に、あなたの体の中ではこのような動きが生まれます。



では、続きをどうぞ。
結論は「PC筋と肛門括約筋を一緒に締めてから、肛門だけ緩める」
先に結論から書きます。PC筋(恥骨尾骨筋)と肛門の筋肉を、ゼロの状態から別々に動かすことはできません。だから「PC筋だけを最初から締めよう」として、そもそも難しいものを狙っていることになります。うまくいくやり方は逆で、「一度両方を一緒に締めてから、肛門側の力だけをあとで抜く」という順番です。
初めからPC筋だけを動かすことは解剖学的にできない
PC筋と外肛門括約筋は、どちらも同じ神経ルートの支配を受けているとされていて、脳から「骨盤底を締めろ」という指令が出た瞬間、最初の段階ではPC筋と肛門の筋肉がセットで同時に収縮する。これが自然な動きです。
「じゃあ最初からPC筋だけを締めて、肛門を緩めるのは無理ってこと?」と思うかもしれませんが、その通りです。ゼロの状態からPC筋だけにスイッチを入れるのは、神経の仕組みとして起こりにくいのです。
それでも「後から肛門だけ力を抜く」ことはできる理由
肛門の周りには、大きく分けて2種類の筋肉があります。
- 外側(肛門)の筋肉:肛門の入り口をキュッと締める、力の強い筋肉
- 奥の筋肉(PC筋):体の中で、内臓をクイッと持ち上げるように働く筋肉
この2つは、締め始めるときは一緒に動きます。でも、いったん両方締めたあとなら、外側(肛門)の力だけを抜くことができます。すると、奥のPC筋だけがまだ効いている状態が残ります。
なぜ肛門の力みがドライオーガズムの邪魔になるのか
肛門の周りの筋肉は、力がかなり強いです。だから締めすぎると、その強い力に負けて、奥にあるPC筋の繊細な動きが邪魔されてしまい、アネロスの動きが悪くなってしまうのです。
ドライオーガズムに必要なのは、ギュッと強く締める力ではなく、PC筋だけを優しく締めて、不随意運動(勝手に動き出す)状態を作ることです。だから、肛門の力みはできるだけ減らせるようにしておいたほうがいい、というわけです。



PC筋だけ締めて肛門を緩めるやり方
ここからは、実際に体を使って練習する手順です。
(1)まずは仰向けになって、両膝を軽く曲げてください。お腹とお尻の力は完全に抜いておきます。
なぜこの姿勢かというと、立ったり座ったりしている状態だと、体を支えるためにお腹や太ももに力が入りっぱなしになるからです。それだと「今、余計なところに力が入った」ということに自分で気づけません。仰向けで全身の力を抜いておくと、締めたときにお腹やお尻が反応したかどうかがはっきり分かります。
慣れてしまえば、通勤中でも信号待ちでも練習はできます。ただ、感覚をつかむまでの最初の何回かは仰向けでやったほうが確実です。
(2)次に、おしっこを途中で止めるときの動作で、キュッと締めます。
トイレで用を足している最中に、途中で止めようとしたときのあの動きです。「お尻の穴を閉じる」と思って締めると、肛門の表面ばかりに力が入ってしまうので、あくまで「おしっこを止める」ほうの動きで締めてください。
イメージが湧かない場合は、次にトイレに行ったときに実際に途中で止めてみてください。そのとき使った筋肉が、ここで動かしたい筋肉です。一度体で覚えてしまえば、あとはトイレ以外の場所でも同じ動作を再現できるようになります。
おしっこを止める動作を行うと、ペニスの根元のあたりに力が入る感覚があると思います。そこが今回使いたい場所です。なお、この段階では肛門にも一緒に力が入ります。それで正常です。
(3)ペニスの根元の力はそのままに、肛門の力だけをゆっくり緩めていきます。
一気に肛門の力を抜こうとせず、少しずつです。うまく緩んでいくと、ペニスの奥のあたりが頭のほうへ引っ張られるような感覚が残ります。これが残っていれば成功です。初めはうまくいかないかもしれませんが、ペニスの奥あたりに意識を集中しながら何度も試してみてください。
逆に、この引っ張られる感覚があまり感じられないときは、肛門にまだ力が入っています。もう少しゆっくり緩めてみてください。
(4)肛門を緩めたら、あとはその状態を保つことだけに意識を向けます。
ここで新しく何かをしようとしなくて大丈夫です。奥に残っている引っ張られる感覚が消えないように、それだけを見ていてください。アネロスを入れた状態なら、これが「先端を前立腺に軽く当たっている状態を保つ」ことにそのままつながります。
できているかどうか、どうやって確かめるの?
感覚だけで「できている」と判断すると、実はお腹やお尻の力で締めていた、ということが少なくないとされています。「自分ではできてるつもりなんだけどな」と思う人ほど、一度チェックしてみる価値があります。ここでは道具を使わずにセルフチェックできる方法をまとめます。
指を入れて確かめる
この方法が一番分かりやすくおすすめです。実際にアナルに指を入れて確認する方法で、お風呂に入るときに試せるので、確認後も簡単に洗い流せるので手間もかかりません。
指を第1〜第2関節あたりまで入れた状態で、PC筋だけ締めて肛門を緩めるやり方の(2)〜(3)の動作をします。うまくいっていれば、指が入っている直腸そのものが、頭のほうへスッと引っ張られるのが分かります。この感覚が確認できれば成功です。
ここでひとつ、大事な注意点があります。このとき「指がギュッと締め付けられる感触」は、ほとんどないはずです。「締まっている感じがしないけど、これで合ってるのか?」と不安になるかもしれませんが、それで正しいです。
指ではっきり締め付けを感じるくらい力を入れると、実際のセッションで使う力よりもかなり強くなってしまいます。アネロスを使うときに必要なのは、その程度の弱い力です。締め付けの強さではなく、引っ張られる感覚があるかどうかで判断してください。
会陰部の指タッチ法
もう少しお手軽な方法もあります。
仰向けで膝を曲げ、肛門と性器の間にある柔らかい部分(会陰部)に指先を軽く当てます。



その状態でおしっこを途中で止める動きをすると、会陰部辺りが硬くなることがわかります。この状態で肛門だけ脱力をしてみてください。そうすると、指に触れている硬い部分がスーッとなくなっていけば、PC筋だけを締めて肛門を緩める動作ができています。
ただし、PC筋も一緒に脱力しても会陰部辺りの緊張は緩むので、硬くなった部分はなくなります。会陰部奥の硬い部分がなくなれば成功と言うわけではないことだけ注意してください。
【補足】うまくいっていないときのチェックポイント
以下は「できている証拠」ではなく、「余計なところに力が入っていないか」を確認するためのものです。上のやり方を試してもうまくいかないときに、原因を探る材料として使ってください。
片方の手を下腹部に、もう片方の手をお尻の横に当てた状態で締めます。お腹の表面が硬くなったり、お尻の筋肉が手を押し返してくる感覚があれば、PC筋ではなく周りの筋肉で代用してしまっています。
締めている最中、息を止めずに自然な呼吸を続けられているか。息を止めて力む動作は、腹圧で押し下げる方向の力みにつながりやすいとされています。
力を抜いた瞬間、元の状態にストンと戻る感触があるか。緩めたつもりでも力みが残っている状態は、過緊張の兆候とされています。
医療現場ではどう判定しているのか
ここからは少し真面目な話です。医療現場での客観的な判定方法にも触れておきます。専門職による経直腸・経膣の触診が最も一般的です。
その他、圧力センサーを使った内圧測定(バイオフィードバック)、超音波での骨盤底の動きの観察、表面筋電図といった方法があるとされています。いずれも「奥へ引き上がっているか」「表面の筋肉だけで代用していないか」を客観的に見ている点は、自宅でのセルフチェックと共通しています。
| チェック項目 | 何が分かるか? |
|---|---|
| アナルに指を入れて | PC筋に効いているかどうか?(成功判定) |
| お腹・お尻の触診 | 周りの筋肉で代用していないか? |
| 呼吸 | 腹圧で押し下げていないか? |
| 緩めた瞬間 | 力みが残っていないか? |
アネロスを入れた状態ではどう応用する?
練習した感覚を、実際にアネロスを挿入した状態で使ってみる段階に進みます。
挿入直後はまず何もしない
挿入した直後にいきなり締め方を試そうとしなくて大丈夫です。まず確認すべきは、リラックスした状態でアバットメント(会陰部に当たる部分)や内部に不快感がないか、収縮したときにも不快感がないかという、快感以前の「快適さ」の部分。ここが整っていない状態で締め方の練習をしても、うまくいきにくいです。
締める→肛門を抜く、でアバットメントの支点を動かさない
不快感がないことを確認できたら、PC筋だけ締めて肛門を緩めるやり方の(3)で練習した「一緒に締めてから肛門だけ力を抜く」を挿入した状態で行います。このとき、アネロスの支点(アバットメントが当たっている位置)自体をグイグイ動かす必要はありません。位置はそのままで、内側の締め方だけを切り替えるイメージです。
「強く圧迫する」より「軽く当たる状態を維持する」を優先する
(※)前立腺に強く押し当てようとするより、軽く当たっている状態を保ち続けるほうが優先度は高いとされています。「もっと強く押し当てれば感じるはず」という発想は、むしろ逆効果になることがあります。PC筋を締めすぎて強い圧迫を作ろうとすると、かえって表面の力みが増えてしまうことがあるからです。
(※)アネロスの先端が前立腺に軽く当たっている感覚がわからない人は、並行して前立腺の開発(快感を得られるようにすること)を進めてください。
ゆったりとした呼吸と組み合わせる
締めと緩めの切り替えを、ゆったりとした呼吸のリズムに合わせて行います。呼吸が止まっていないかは、前立腺の位置と鍛え方でも触れているとおり、力みの有無を確認する目安になります。わたしが続けているドライオーガズム時の姿勢もあわせて読んでおくと、練習全体の流れがつかみやすいと思います。
練習の成果を試すなら、どのアネロスから始める?
ここまでの動作は、どのアネロスを使う場合でも共通の基本です。そのうえで、これから最初の1本を選ぶなら、PC筋のコントロールに自信が無くても、会陰部にアバットメント痛みが出にくいモデルから始めるのがおすすめです。
その条件に当てはまるのがヒリックスシントライデントです。アバットメント(内部で動く突起部分)のツルが柔らかく、PC筋の操作がまだ安定していなくても痛みが出にくいので、練習してきた動作をそのまま試しやすいモデルになります。前立腺型のドライオーガズムを目指す基本記事でも同じヒリックス系モデルを軸に説明しています。
もう少し圧迫の強さが欲しくなった段階では、アバットメントが硬く、前立腺への刺激が強めのMGXトライデントという選択肢もあります。ツルが硬いぶん圧迫刺激が強く出るモデルで、MGXトライデントのレビュー記事で詳しく扱っています。ただ、この記事で説明してきた練習の段階では、まずは痛みの出にくいヒリックスシントライデントから始めるほうが合っていると思います。
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やってはいけないこと・注意点
息を止めて力む(腹圧で押し下げる)動作は、狙っている引き上げ感と逆方向に働くので避けたいところです。締めっぱなしを長時間続けるのも、過緊張につながりうるので区切りを入れる。痛みが出た場合はその場で中止してください。ローションが不足していると挿入・抜去時の摩擦が増えるので、量は惜しまないこと。「毎日必ずやる」とノルマ化すると、かえって力みや過緊張を招くこともあるとされています。体調に合わせて休む日があってもいい、というくらいの気持ちでちょうどいいと思います。
よくある質問
Q1. PC筋トレは1日何回やればいい?
回数を厳密に決めてノルマ化するより、痛みや違和感が出ない範囲で無理なく続けられる頻度を優先したほうがいいです。毎日みっちりやることより、力みなく続けられることのほうが大事だとされています。
Q2. どれくらいで感覚がつかめる?
正直なところ、個人差が大きく、断定できる数字は持ち合わせていません。焦らず、「PC筋だけ締めて肛門を緩めるやり方」の(2)〜(3)を繰り返しながら、指を入れて確認する方法で都度チェックしていくのが確実だと思います。
Q3. 指を入れて確認したほうがいい?
必須ではありませんが、この記事で紹介した中では一番はっきり分かる方法です。抵抗がある場合は会陰部に指を当てる方法から始めても構いませんが、そちらは成功と失敗の見分けがつきにくいので、慣れてきたら一度は指を入れて確認してみることをおすすめします。
Q4. 強く締めたほうが効果がある?
いいえ、逆です。指を入れて確認したときに、締め付けをはっきり感じるくらい力を入れていると、実際のセッションで使う力よりかなり強すぎます。必要なのは「締まっている感じがしないくらい」の弱い力で、判断の基準は強さではなく、頭のほうへ引っ張られる感覚があるかどうかです。
Q5. 締めなくてもドライは来る?
反射的な締め付け自体は、快感の中で自然に起きるとされています。ただ、この記事で説明しているのは、その反射をうまく使いこなすための土台作りです。土台がないまま反射だけに頼ると、肛門の力みで脱力の指示が通らず、感覚が積み上がりにくくなることがあります。
まとめ
PC筋と肛門を最初から別々に動かすことはできません。だからこそ「一緒に締めてから、肛門だけをゆっくり緩める」という順番で練習します。
うまくいっているかどうかは、指を入れて確認するのが一番確実です。判断の基準は締め付けの強さではなく、頭のほうへ引っ張られる感覚があるかどうかでしたね。
アネロスを挿入した状態では、まず不快感がないことを確かめてから、同じ締め方を試してみてください。強く圧迫するより、軽く当たっている状態を保つことを優先です。
✅ おすすめの進め方
STEP1:まずはPC筋のコントロールを練習する
STEP2:練習した動作を実際に試す
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